事業承継が失敗したら(連鎖倒産・従業員の破産)

 

事業承継の対応には多方面の利害関係者への配慮が必要です。

 

逆に言えば、適切な対応を怠ると多くの方に計り知れない悪影響を与えます。

 

 

 

事業承継の利害関係人としては、

・取引先

・後継候補者

・家族

・顧客

・地域住民

をあげることができるでしょう。

 

取引先への影響として真っ先に考えられるのが、連鎖倒産です。

 

経営の安定を考えると、多数の取引先様とお取引をさせていただき、特定の一社に対する売上が偏りすぎないのが理想です。

しかし、商取引における交渉力があまり大きくない中小企業においては特定のお取引先が売り上げ全体に占める割合が極端に大きいということも少なくありません。

 

仮に、ある取引先の売り上げに占める自社売り上げの割合が30%を超える場合、自社の事業承継の失敗はその取引先の連鎖倒産を招く可能性は小さくないでしょう。

 

後継候補者への影響についても考えておく必要があります。

 

厳密には、「後継者にならなかった後継候補者」の処遇が極めて重要かつデリケートな問題になります。

 

中小企業においては、会社=社長という会社も少なくなく、カリスマ社長の引退を機に、潜在していた社内の対立が表面化することも少なくありません。

社長が自身のナンバー2を後継者にした場合、年の近いナンバー3はその会社のトップに立つことは通常ありません。

ナンバー2が社長になったときに、その次の方をどうするか?先代社長としては、ナンバー2のその先まで考える必要があります。

 

長年にわたり、事業承継といえば、端的に言えば、家庭の問題そのものでした。

自社に子息を迎えた社長は、家庭での序列をそのまま会社にスライドさせ、妻を副社長、長男を専務、次男を常務とする事例がまま見られます。

 

社長としては、副社長の妻と同時に引退し、長男に会社を託すことを想定していることも少なくないでしょう。

このような場合、次男が「本当は俺の方が経営者としての適性があるのに・・」との想いを抱くこともあります。

これが経営者問題の典型的な火種の一つです。

 

顧客への影響も無視できません。

住宅建築業を例にとってイメージしてみましょう。

住宅建築業では、新築住宅を提供したお客様と長年にわたり、メンテナンス等のお付き合いがあることも少なくありません。

お客様との間で、家族にも近いお付き合い、信頼関係が生まれる場合もあります。

このような事例で事業承継につまづくとどうなるでしょう。

一生に一度の買い物をしてくださったお客様を支えることができなくなってしまうのです。

 

過疎化の進んでいる東北地方では、地域住民への影響も無視できません。

地域に特定業種を営む事業者が一社しかないということは少なくありません。

自動車社会となっている過疎地域では、アフターサービスが提供できないなど、ロードサイドのショッピングセンターに車で通えない高齢者の生活を直撃することもあるのです。

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